古希と乗馬

　起きる前から雷と雨。

　其れでも予約がしてあるし、車の準備も整えてある。

　寝静まっている中を乗馬服に着替えてソーッと抜け出した。

　小雨で雷も遠のいているし、これは良いあんばいと車に乗り込みキーを差し込んで廻したが、ビクとも廻らない。

　もしかしてハンドルロックかな？（この車でもハンドルロックが付いているの？今までなったことがない）

　ハンドルを左右に動かしても、キーは回らない。

　何でなの？

　前の時はガ、ガ、ガ、ガー、と言ってエンジンが掛からなかったけど......

　鍵が回らないなんて初めてのことです。

　鍵を裏にクルッと廻してさして回しなおしても、回らない。

　ハンドルを左右、上下に動かしても、鍵は回らない。

　後はどうすればいいのだろう？
　自動販売機なら蹴飛ばすとか......するけれど.....

　日曜日だけど修理屋さんにＳＯＳ
幸いお電話にはでてくれたけれども
「今、引佐の方に孫を送って行っている所です、その後伺います」

とても間に合いません。

　乗馬クラブにお電話をして
「済みません、車が動かないのです、乗馬のクラスをキャンセルにして下さい」

　ちょうど外は土砂降りになっておりました、受付の方の
「キャンセルですね、判りました」
と言う声は笑っております。

　きっと、雨に怖じ気を払ってキャンセルしたと思っていることでしょう。

　雨が小雨になった頃にもう一度車に行ってキーを差し込み廻してみました。

　簡単に掛かるではありませんか。

　狐に抓まれたみたい！

　主人には
「あり得ないことだ、お前の回し方が悪かったのだ、」
と馬鹿にされるし...

　でも、必死に何度も鍵を廻して...ハンドルも動かして.....

　それは、私だけしか知らない真実。