古希と乗馬

　自宅で乗馬服に着替えるときの寒さは全身に鳥肌です、特に指先が冷たくてビリビリと来てました。

　ＨＡＳに着くと指導員さん達が馬の訓練中です。

　いつもなら真剣に見入って時間を過ごすところですが、指がかじかんで乗馬靴のチャックが上がりません。

　一式を持って事務所に飛び込みました。
ストーブが焚いてあって、温かさが全身を包み込んでくれます。

　指先の凍えもなくなって無事にブーツのチャックも上がってくれて、拍車を付けて、少し早めにスプリントの馬房へ。

　未だ馬着を付けたままでした。

　昔は馬着が重くって取り外すのにヨロヨロしておりましたが、新しいのはとても軽くできております。

　　レッスンより40分ほど前にスプリントスターを洗い場に連れてきてお手入れを始めました。

　ブラシをかける時は頭から埃を浴びますが、馬と身近に触れあっているという至福の一時なのです。

　片手でブラシ、もう片手はスプリントの身体の温かさを堪能、時々優しい目に話し掛け......


　顧問先生のレッスンは久しぶりです、暮れには私が身体をこわすし、今月の初めは先生がフィリッピンへ出張教授でお留守。


　どの指導員のレッスンも何かしら私に教えてくれて楽しい一時を過ごしておりますが....


　顧問先生は魔法使いのように、私の苦手とする事まで出来る時間をくれるのです。
　
　今日は駈歩をしようとするとスプリントは一歩を踏み出しますが直ぐに速歩になってしまいます。

　顧問先生が
「やすらぎさん駈歩を初めても良いよ！」

わたし
「先生、駈歩をしたくても出来ないのです！」

顧問先生
「自分が走ろうとしては駄目だよ、馬を走らせるには止めなくては」

　走らせようと言う気持ちと一緒に私の身体は前にいっていたようです。

　「そこで止めて内方脚、外方脚、ほら走り出しただろう」
　「走り出したら、お尻を軽くして、そこで鞭、速くなたら止めて、止まりそうになったら、そこで脚」　

「続かないのは外脚が前に出てくるから、外方の手が上がってくるから」

　先生のおっしゃる通りにしていたら、大きい馬場を何回も連続して駈歩が続くのです。

　心爽快でした！