古希と乗馬

　パラッ、パラッ、と姫しゃらの葉に雨の滴が当たる音、これで少しは気温も下がるかなと半分夢見心地で聞いていた。

　突然凄い音を立てて降る雨の音に、ラジオのイヤホーンの音が聞こえなくなった。

　窓の外では鉛筆ほどの太さの雨足が叩きつけるように落ちてくる、先ほどの天気予報ではこの地方は曇りのはずでした。

　局地的な集中豪雨なのかも知れません。

　刈り上げた芝生の上には薄く水が溜まって流れております、次郎はどうしているのでしょうね、呼んでも飛んできません、ドッグフードは雨が止んでから上げましょう。

　天の貯蓄量が切れたのかまもなく雨も上がり暑い太陽が照り返ってきました。

　主人は病院へお薬をもらいへ、私は彼の用事でデパートへ行かなければなりません、11時までに買い物を済ませて帰宅する。

　開店10分前にデパートへ着き、30分で買い物を済ませて......

　9時半にはデパートの駐車場が開いていて、私がついた頃には三階まで車が詰まっておりました。

　どの車の中にも人が座っていて、開店を待っております、一寸異様な感じを受けました。

　デパートという所は一つ買い物するにも偉く時間がかかります。

　支払いの精算場所が各売り場ごとにないらしく、お金を持って店員さんは遠くまで行って中々帰ってきません。

　時計を眺めながらイラ、イラ、イラ、

　二つ目の売り場からは
「申し訳ありませんが、時間がないのです急いで下さい」

　辛うじて主人が出かける迄には、お土産を作ることが出来ました。